色打掛の文様にはどんな意味がある?鶴・鳳凰・孔雀・花車などを解説
2026.10.29
色打掛に描かれる鶴・鳳凰・孔雀・松竹梅・花車・扇などにはどんな意味がある?婚礼衣装に使われる代表的な文様について、ウェディングドレス・和装・フォーマル衣装のセレクトサロンBRIDESがわかりやすく解説します。
色打掛にはどんな文様が描かれている?
色打掛を見ていると、
鶴。
鳳凰。
孔雀。
松竹梅。
花車。
扇。
四季の花。
など、さまざまな文様に出会います。
婚礼衣装には古くから、長寿・繁栄・幸福などへの願いを重ねた吉祥性のある文様が使われてきました。
京都国立博物館の婚礼衣装にも、桐鳳凰・竹鶴・松竹梅・檜扇・花熨斗など、多くの吉祥的な意匠を見ることができます。
ただし、色打掛を選ぶときに、
「どの文様が一番縁起が良い?」
と考える必要はありません。
婚礼用としてつくられた色打掛には、婚礼にふさわしい意匠が基本的に使われています。
まず大切なのは、
着たい色。
なりたいイメージ。
実際に羽織ったときに似合うか。
そして、その姿を自分が好きだと思えるか。
文様の意味は、気に入った一着をさらに深く知る楽しみとして見てみてください。

鶴|婚礼衣装を代表する吉祥文様
鶴は、白無垢・色打掛のどちらでもよく見られる文様です。
「鶴は千年」という言葉でも知られるように、長寿を象徴する吉祥文様として古くから用いられてきました。
京都国立博物館の吉祥文様の展示にも「飛鶴文様打掛」があり、婚礼衣装にも鶴を用いた実例が数多く残されています。
色打掛では、
白い鶴。
金で表現された鶴。
大きく羽を広げた鶴。
群れで飛ぶ鶴。
など、表現もさまざまです。
同じ「鶴柄」でも、衣装によってかなり雰囲気が違います。

亀|長寿を表す吉祥の意匠
鶴とともに長寿を連想させるのが亀です。
亀そのものだけでなく、亀の甲羅を六角形に図案化した「亀甲文」もあり、国立国会図書館では長寿にあやかる吉祥文様と紹介されています。
京都国立博物館にも、吉祥文様として亀を取り入れた衣装が残っています。

松竹梅|祝いの衣装に多く使われる植物文様
松・竹・梅を組み合わせた松竹梅も、代表的な吉祥文様です。
婚礼衣装では、
松竹梅だけで構成されるもの。
鶴と松竹梅。
鳳凰と桐。
など、ほかの文様と組み合わせて使われることも多くあります。
京都国立博物館の吉祥文様の展示にも、松竹梅を取り入れた衣装が確認できます。

花車|色打掛を華やかに彩る古典文様
花を美しく載せた車を表現したものが花車です。
京都国立博物館にも、梅・牡丹・藤・菊などを載せた花車を描いた打掛が所蔵されています。
色とりどりの花を一つの大きな構図として見せられるため、色打掛でも華やかな印象をつくります。
ここで注意したいのが、花車と御所車は同じではないことです。
御所車は、平安時代の貴族が使用した牛車を意匠化したもの。
花車は、花を載せた車を表したものです。
似た形に見える場合があるため、文様の名称を付ける際には確認することが大切です。

扇・檜扇|広がる形も印象的な文様
扇も婚礼衣装でよく見られる意匠です。
扇は開くと末に向かって広がっていく形をしており、「末広がり」と結びつく縁起のよい文様として親しまれてきました。
また、王朝文化を思わせる檜扇が描かれた打掛も残っています。
京都国立博物館では、御簾・几帳・檜扇を組み合わせた婚礼用の打掛について、王朝文化を想起させる優雅な文様であり、吉祥性を持つ意匠として捉えられていたと説明しています。

熨斗・花熨斗|お祝いを感じさせる文様
熨斗も着物でよく使われる吉祥文様です。
何本もの熨斗を束ねた「束ね熨斗」は、着物全体に大きな流れをつくる華やかな意匠です。
京都国立博物館所蔵の「束熨斗文様振袖」では、熨斗の一筋一筋に鳳凰・松竹梅・菊・宝尽くしなどの吉祥文様が表現されています。
また、婚礼衣装には「花熨斗」と呼ばれる意匠も使われています。京都国立博物館では、花熨斗を「贈答用に包んだ花束」と説明しています。

四季の花|一着の中にさまざまな花が描かれる
色打掛には、
梅。
桜。
牡丹。
菊。
藤。
など、さまざまな花が描かれます。
一種類の花を中心にした衣装もあれば、複数の花を組み合わせたものもあります。
そのため、
「これは何の花?」
と一つずつ見る楽しみもありますが、実際の衣装選びでは細かな意味をすべて覚える必要はありません。
色や花の組み合わせを見て、
「この雰囲気が好き」
と感じることも立派な選び方です。
文様の意味は「衣装を選ぶ順位表」ではない
ここが、BRIDESが一番お伝えしたいところです。
鶴には長寿。
鳳凰には吉祥。
扇には末広がり。
それぞれに伝えられてきた意味があります。
でも、
「鶴の方が鳳凰より縁起が良い」
「この文様があるから、この色打掛を選んだ方がいい」
というものではありません。
婚礼用の色打掛には、婚礼というお祝いの場にふさわしい意匠が使われています。
ですから文様は、
衣装を絞り込むための条件ではなく、気に入った一着を知る楽しみ
として考えてみてください。
まずは「着たい色・好きなデザイン」で選んでいい
色打掛を選ぶときは、
赤が着たい。
深いグリーンが気になる。
青や紺を試してみたい。
黒地が好き。
白地の色打掛に惹かれる。
というところから始めて大丈夫です。
そして実際に羽織り、
似合うか。
顔まわりがどう見えるか。
全身の雰囲気が好きか。
を比べていきます。
その中で気に入った一着が見つかったら、
「この鳥は鳳凰なんだ」
「この文様にはこんな意味があるんだ」
と知る。
その順番でも十分です。
BRIDESが色打掛の文様を見る理由
Total Wedding Salon BRIDESでは、色打掛をご案内するときに文様も確認します。
ただし、それは
「この柄の方が縁起が良いからおすすめする」
ためではありません。
一着の背景を知っていただくためです。
気に入った色打掛に描かれている鳥や花。
その意味や由来。
どんな古典文様なのか。
それを知ることで、
自分が選んだ婚礼衣装に、もう一つ物語が加わる。
そんな楽しみ方をしていただきたいと考えています。
色打掛の文様に関するFAQ
Q. 色打掛にはどんな文様がありますか?
鶴・鳳凰・孔雀・松竹梅・花車・扇・熨斗・四季の花など、さまざまな文様があります。
衣装によって複数の文様が組み合わされています。
Q. 一番縁起が良い文様はどれですか?
婚礼用の色打掛には、婚礼にふさわしい吉祥性のある文様が基本的に使われています。
そのため、「どの文様が一番良い」と順位を付けて選ぶ必要はありません。
Q. 鳳凰にはどんな意味がありますか?
鳳凰は想像上の瑞鳥で、天下泰平のときに現れるとされ、吉祥を表す文様として用いられてきました。
Q. 孔雀も婚礼衣装に使われますか?
はい。
京都国立博物館にも、鳳凰を中心に孔雀など多くの鳥を描いた婚礼用の打掛が所蔵されています。
Q. 文様の意味から色打掛を選んだ方がいいですか?
意味を基準に決めなくても大丈夫です。
まずは着たい色やデザイン、実際に似合うか、ご本人がその姿を好きかを大切にしてください。
気に入った一着に描かれている文様を後から知る楽しみもあります。
まとめ|文様の意味は「好きになった一着をもっと知る」ために
色打掛には、
鶴。
鳳凰。
孔雀。
亀。
松竹梅。
花車。
扇。
熨斗。
四季の花。
など、さまざまな文様が使われています。
そこには、長寿・平和・繁栄など、古くから受け継がれてきた吉祥の意味があります。
でも、色打掛選びで、
「どの文様が一番縁起が良い?」
と悩む必要はありません。
まずは、
着たい色。
なりたいイメージ。
実際に似合うか。
その姿を自分が好きか。
を大切にしてください。
そしてお気に入りの一着が見つかったら、
「私が選んだ色打掛には、こんな文様が描かれているんだ」
と少し詳しく見てみる。
それも婚礼和装を選ぶ楽しみのひとつです。
Total Wedding Salon BRIDESでは、衣装を選ぶための知識としてだけではなく、選んだ一着をより楽しんでいただくために、文様やその背景についてもお伝えしています。